- 現役キャリアアドバイザー7年、年間1,000人以上のキャリア支援
- 転職活動中で転職サイト・エージェントを調査、発信しています
転職の工程で意外とスキップされている転職準備。
この転職準備実はすごく重要です。というのも進めていくうちに後戻りする方が数多くいらっしゃり後々のスケジュールがぎっしりになってしまうケースが多いです。
本サイトでは転職準備の重要性をもっと知っていただきたいというコンセプトなので準備には時間をかけて進められるよう一つ一つ解説していきます。
読んでいただいた後には準備に入っていただけるようになっていますのでそのつもりで読んで頂ければと思います。
こんな方の悩みを解決したいです
- 転職準備をする理由がわからない
- 転職準備のスケジュール感がわからない
- 転職準備は何をすれば良いかわからない
この記事の内容
- きっかけを深堀して転職の目的を整理する
- 転職のスケジュールを立てる
- 自己分析をして強み、弱みを洗い出す
転職前に行う事前準備
転職活動の仕方については下記の記事でご紹介していますが、ここでは準備工程について詳細にご紹介していきます。

上記にも書いていますが、転職には大きく6つのステップがあります。
- 転職活動準備
- 応募書類の準備
- 転職エージェント登録・面談
- 求人に応募
- 面接
- 内定・退職
①②が転職の準備にあたります。
この転職準備をもう少し細かく分けると以下のようになります。
- 転職の目的を整理する
- なぜ転職なのか?を深堀する
- なぜ転職するのか?整理する
- 転職の軸を整理する
- スキルの棚卸しをする
- レジュメを作成する
こう書くと『すること多いな』と思いますが、それほど大事なことなのです。
この転職準備について詳しく紹介していきますね。
事前準備が大切な理由

転職準備が大事な理由は、転職エージェントに登録する時、面接を受ける時、内定を獲得した時にこの転職準備で準備したことを活用するからです。
転職活動における工程をわたしたちの業界ではこう分けて呼んでいます。
- 事前準備 → “前工程”
- 面接などの活動 → “後工程”
実は、人材エージェント会社によっては、それぞれのフェーズ毎にKPIが設定してあったり、「このステップ以上でないと転職活動に取り組んでいるとみなさない」などの暗黙のルールがあります。
そして、転職で結果で明暗を分けるのは、実は前工程なんです。
シチュエーション別に見てみましょう。
シチュエーション | 内容 |
転職エージェントに登録する時 | レジュメの完成度合いで紹介求人に影響する可能性がある |
面接を受ける時 | 転職理由や志望理由に説得力が出る |
内定を獲得した時 | どの内定企業にするべきか転職軸で判断する |
その場その場の対応では、後に行くほど後戻りはできなくなります。
そのために、事前に全て準備しておくのです。
実は前工程を詳しく解説する情報はそこまで出回っていません。ビジネス上の優先度が低いんでしょうね。
当サイトでは転職の流れをステップで説明、各ステップでのポイントを解説していきますね。
転職準備の全ステップ
1. 転職の目的を整理する
転職をしようと思った時には何らかの動機が存在するはず。
何のために転職をするのか、「転職の目的」を明確にする必要があります。
これは、転職に限らずゴールを目指すうえで必要な作業です。
ここでその土台をしっかりと作れていくか否かで後の効果では差がはっきりと出てくるんです。
転職の目的の整理例
転職をしたいきっかけ:残業が多く生活に悪影響である
- 職場環境の良い企業に転職して長く働きたい
- ワークライフバランスが取れた企業で貢献したい
転職をしたいきっかけ:現在の仕事に不満がある
- スタートアップ企業のような新事業にスピード感持って対応したい
- キャリアチェンジして違う仕事にチャレンジしてみたい
上記のように、きっかけがあって目的が必ず存在するはずです。
今回の転職全ての土台となりますので非常に重要なポイントとなりますので、時間をかけてでも、しっかりと転職の目的を設定していきましょう。

2. なぜ転職なのか?を深堀りする
先ほどは転職目的整理の大切さをお伝えしました。
その目的を達成するために、「なぜ転職なのか?」という考え方に至るプロセスを整理していきます。
数ある選択肢の中で、“転職”というのはその1つにすぎません。
徐々にメジャーな選択肢になってきてはいるものの、中には後ろ向きなイメージを持つ人もいます。
相手を説得し、納得感を与えるという点は、面接官でも親や友人に対してでも同じということです。
それが安心感につながり、相手は受け入れてくれます。
そのために、何をすべきでしょうか?何が有効でしょうか?
- 今の環境(職場)では、目的を達成できない理由を整理する。
- 転職こそがそれを実現できそうだという根拠を整理する。
先ほど、整理した転職目的をさらに深堀し、現状では変えることができないのはなぜか?という問いを自分にし続けてみてください。
ポイントは、数ある選択肢の中で転職を選ぶ理由について考えるということです。
現職でポジションを変える、管理職になるまで待つ、または起業するなど…。
考えると実はたくさんの選択肢があります。
その中で、“転職” という方向性を決めた理由は?
を、ちゃんと答えられるようになると、自他ともに納得感を与えることができます。
ここまで整理ができた方は転職を進めるという結論にいたった方ですよね。
次にもう少し整理を進めてみましょう。
3. なぜ転職するのか?を整理する
ここまで読んでいただいた方は、頭の中で何となく考えがまとまったと思います。
次はそれを言語化していきます。目的は、相手に言葉で伝えることです。
自分が思っている以上に頭の中で考えていることを相手にしっかり伝えることは難しいです。
考えを書き出して相手に伝える。
この手順を身につけましょう。具体的に実行していただきたいことは以下の3つです。
step1
テーマ:数ある選択肢の中から、転職がベストというストーリーを作る。
転職する、現職でポジションを変える、管理職になるまで待つ、起業する…などの選択肢において自分にあっているなと思う“転職理由” を書いてください。
(例)仲間と働くことが好きだから企業で働きたい。
(例)未だスキルも経験も発展途上なので企業とともに成長していける環境がいい。
step2
テーマ:現職での、課題やネガティブなことを書き出す。
現職だとそれが達成できない要因を記載していきます。
ポイントは、自分でコントロールできないことをあげることです。変えれそうなことをあげると、面接で「それを変えるために努力したことはありますか?」という指摘を受ける場合もあるので注意。
(例)経営を学びたいが経営層とコミュニケーションを取ることが難しい。
(例)プログラミングスキルを磨き続けたいがPMになる道しかないので環境をかえたい。
step3
テーマ:転職先に求めることを書き出す。
先ほど書いたことを逆になるはずです。それが“志望動機”にもリンクしてきます。
(例)経営層と近い立ち位置で仕事ができる環境。
(例)プログラミングスキルを追求できるテクノロジーカンパニー。…など
この3stepを踏めば、転職の目的と自分が描いているキャリアのゴールとを接続しながら語ることができます。
そして、それが面接で使う転職理由・志望動機につながります。
理想をイメージし、それを実現するために必要なことを意識しながら活動する。
前工程が大切な理由が伝わったのではないでしょうか?
トレーニング効果を最大化するイメージを持ち活動しましょう。必ず良い成果が出ますよ。
4. 転職の軸を整理する
転職軸とは『転職活動で会社選び、仕事選びの基準を作ること』のことです。
次に転職したい会社や面接を受ける会社、そして内定を獲得した時の選択の時にこの軸を元に判断します。
やり方は下の記事で詳細に紹介しています。

この軸をもとに判断しないと、都度判断に時間がかかったり、あとで後悔したりすることも。
適切な判断をするためにも絶対にやっておきたい準備の一つですね。
スキルの棚卸しをする
次に行うのがスキル・キャリアの棚卸しです。

このスキルの棚卸しは、自分のアピールポイントや企業の求める人物とのギャップを埋めることが狙いです。
あと、レジュメ作成のための情報整理も兼ねているため簡単でも良いのでやっておきましょう。
レジュメを作成する
履歴書や職務経歴書のことをまとめてレジュメと呼びます。
レジュメの作成を行なってから次の工程である転職エージェントの登録を行うには訳があります。
- 転職エージェントにレジュメを登録する必要があるため
- レジュメをもとに面談、求人の紹介を行うため
レジュメの作成を準備段階で行う理由については下記でご紹介しています。

転職活動のスケジュールを立てる

1. 退職日の目安を設定する
ここまでで、目標に理想の転職を実現することだと設定しました。次は、「いつまでに?」という納期を考える必要があります。
そして、その納期は、高い確率で退職日とリンクしています。
内定獲得していても、退職交渉がまとまらず、現職をやめれないというのを何回も見てきました…。
転職の目的と退職のタイミングを考えることができれば、あとは行動するだけです。
まずは、退職を転職活動のスケジュールに組み入れましょう。
これも転職の目的を明確化する時と同じく非常に重要な作業です。
転職活動を通じて、“全体像を整理し、実現に向けたマイルストーンをひく” 、その練習だと思って取り組んでみましょう!
一般的に転職活動の平均期間は、3ヵ月程度と言われています。
しかし感じたことあると思いますが3ヶ月という期間はあっという間なんです。
また、先に退職をするかどうかでも転職活動のスケジュールは大きく変わってきます。
現職中の方であれば、転職活動と並行して引継ぎ作業や退職交渉なども考慮しておく必要はあります。
退職してから転職に臨むのであれば、日中でも思う存分動けるように、スケジュールはフリーに描くことが可能です。
このように、それぞれの状況に応じて、設定するスケジュールも大きく変わってきます。
だからこそ、最初に自分の現状を把握し、退職日などの基準を設定することが必要なのです。
2. 逆算して計画を立てる
転職活動の全体像はこのようなイメージです。
わたしの経験上人によって変動する部分は、面接以降だと思っています。

このようにやることは結構多いので、明確なスケジュールを立てないと、ズルズルと計画が後ろ倒しになります。
結果として、良い成果が得られず転職自体を諦めてしまう。そんな光景を何度も見てきました。
ですので、目的を明確化しておくことが大切なのです。
「自分は何のために転職をしたいのか?」をハッキリさせた上で、実現できる計画を立てていくことで、地に足のついたスケジュールをひくことができます。
また、スケジュールを立てるのが重要なもう1つの理由は、転職活動はスピード勝負という側面があるからです。
魅力的な求人にはすぐに応募が集まり、短期間で終了してしまう可能性があります。
「なんとなく」という気持ちでいると、最初の一歩が遅くなってチャンスを逃してしまうことに繋がります。
このようなことからも、しっかりと計画を立てて臨んでるか否かがチャンスを掴む分かれ道になっています。
そして、「今日何をすべきか」「明日は何をすべきか」自分の中で具体的にしていきましょう。
そうなると、面接を受けるための有給取得のタイミングなども見えてくるはずです。
日々のタスク管理するためにも、一日一日の専用TODOリストを作ってみるのもよいでしょう。
以下が網羅されていれば大丈夫です。
内容を記述する項目がある。
締切日がわかるようになっている。
ステータスをチェックできる項目がある。
「いつまでに?」「何を?」が一目でわかるようにしておくことが重要です。
また、過去のチェック済項目も消さずにとっておきましょう。
そうすることで、ある程度進んだ段階でも振り返ることができます。
自己分析をする

1. 自己分析が必要なのは新卒だけではない!
「自己分析」という言葉をはじめて聞いたという人はあまりいないのではないでしょうか。
では、いつ聞いたでしょうか?おそらく、新卒時の就職活動時ではないでしょうか?
かつては、多くの人が手がけ、就職活動における大切なキーポイントとして自己分析を捉えていました。
多くの人にとって、それは社会人になる直前に実施するのが最初で最後になっています。
しかし、転職活動においても自己分析は非常に大切になります。なぜでしょうか?.
それは、仕事内容や企業を選ぶ上で大切な素材となるからです。
特に最近は、10年前と比べてカルチャーフィットを重要視している会社が増えています。
転職という価値観が一般的になり、 “働く” ということに対し、選択肢が多様化する時代となりました。
つまり、一人当たりの平均の在籍期間が短くなっているということです。
企業側から見ると、「マッチしてないとすぐに辞めてしまう可能性もある」と考えているのです。
面接で必ず聞かれる志望動機。面接に対しての対策ということもそうです。
さらに、自分がどの業界、どの会社を受けるか?ということが非常に大切になってくるのが今の転職活動です。
そういった意味でも、自分の価値観を正しく知るための、自己分析が求めれれているのです。
2. 自己分析の仕方
転職活動における目指すべき姿とは、将来を含めて、自分がイキイキと働ける環境を手に入れることだと思います。
しかし、「イキイキと働ける環境」は人によって異なります。人によっては「好きな仕事ができる会社」かもしれませんし、ある人は「収入が多い会社」かもしれません。
中には「有名企業で働くこと」に価値を見いだす人もいるでしょう。
そこで重要になるのが、下記のステップを自己分析によって踏むことです。
- 自分がどのような仕事を「したい」のか理解すること。
- 自分が何が「できる」のかそれを応用すると何が「できるか?」を知ること。
自己理解を深めることによって、自分に合った会社を選びやすくすることを目標とします。
一方で、「したい」仕事が見つかっても、その仕事を任せられそうな人だということが採用担当者に伝わらなければ、内定を勝ち取ることはできません。
このときにポイントになるのがビジネスパーソンとしての「強み・弱み」を理解していることです。
どのような業務を得意としているのか、苦手としているのかを正確に理解し、企業のニーズにマッチさせることができれば内定をもらえる可能性は格段に上がります。
加えて、このように伝えられれば、企業からすると心強いことこの上ありません。
「自分には●●をできる能力があり、それは御社での▲▲という仕事に活かせると思っています。」
つまり、自己分析は、転職活動において「応募する求人を探すこと」と「選考で合格すること」のカギの役目を担っていると言えます。
最後に、自己分析結果をどのように転職活動に活かすべきかを見ていきましょう。
自己分析をすること自体が、転職活動全般において役に立つことですが、特に使えるのは、「業界・企業を選ぶとき」「自己PRを作るとき」「志望動機を作るとき」の3つです。
業界・企業選びに使う!
どのような仕事を “したい” のが明確になっていれば、転職先の企業や業界を選ぶことは容易です。加えて、ビジネスパーソンとしての強みを理解していることで、「何ができるか?」を相手に明確に伝えることができます。
中途採用の選考で最も重要なものの1つに、企業ニーズと求職者がマッチしているか?という点があげられます。新卒と違い、即戦力性を見られますので、人物タイプだけでなく、ビジネスにおいてのスキルマッチも重要視されます。
これらがマッチしていれば、企業から内定を獲得できる確度が急激に上がります。
自己PRで使う!
自己分析によって確認した、強みをそのまま自己PRとして活用できます。
「私は●●というポイントに強みを見出しています。前職で、このような結果を残すことができたことも自信につながりました。」
という主張を根拠でしっかりと補完できますので、説得力のある文章に仕上げることができるでしょう。
志望動機に使う!
自己分析で見ていった「したい」をフル活用します。
志望動機とは、裏を返すと「他社でなく弊社を選んだ理由を教えてください」と問われているということです。自分の「したい」と企業の社風や仕事上のミッションとを掛け合わせることで、企業にも本気度が伝わることでしょう。
3. 活用して欲しい手法
自己分析をする上で、モチベーショングラフというものの活用が有名ですが、その基となる考え方を書いておきます。
これまでの仕事において、モチベーションが高くなった時と下がった時を箇条書きで記載をしてください。
それぞれの仕事において、モチベーションが変動した要因を、5W1Hのフレームワークで整理します。
上記で探った要因の中で類似したものをグルーピングしていきます。
それを俯瞰して見ていくことで、どのような仕事を「したい」のか?が明確になるはずです。
同時に、「強み」を発見するヒントにもなるはずです。
まとめ
- まずはきっかけから転職の目的をはっきりする
- 転職することになればスケジュールを立てる
- 転職軸・自己分析を整理する
いかがでしたでしょうか?
第一志望の企業が1社目に面接なんてこともありますので準備は入念にしておいた方が絶対に良いです。
転職しようと思っていない方も普段から準備しておけば、転職する時に楽に活動できますね。

最後までお読みいただきありがとうございました。